勝間和代

勝間和代

時間管理でもっとも大切なのは、やることを効率化することではなく、やらないことを決めることです。

 

利益を高めるには「顧客獲得コストを限りなく0に近づけること」。私たちが豊かになりわがままになることで嗜好が多様化し、顧客の獲得がどんどん難しくなってきたためです。しかしそのわりには日本人はまだ「よい商品・サービスなら売れる」という思い込みが強く、あまりこの部分に力を入れてきたとは言い難い状況。

 

実行できる人とできない人の違いは、「弱い意志を、いかに手法やスキルで補って、習慣化できるようにしているか」ということにつきます。

 

なぜ忙しくなるのでしょうか。理由は簡単です。やることを減らさないからです。

 

基本的なニーズを満たされている生活をしていますので、新しいものを顧客に購入させるのは至難の業なのです。いかに顧客にアピールするかそれもあまり無駄なお金を使わないでアピールするかということが最新のビジネスにおいて収益性や事業規模を決める重要な概念になってきています。

 

顧客獲得以上に重要なのは獲得した顧客の中で、大事な顧客を逃さないようにすること。顧客維持コストについても考慮をする必要があります。通常は、一度獲得した顧客は商品・サービスによほどの瑕疵がない限り、惰性で利用を続けるケースが多いのです。なぜなら別のサービスにスイッチするときには取引コストがかかるため、その取引コストを乗り越えるほどのメリットがない限り、移行しないためです。逆にだからこそ新規顧客の獲得は難しいわけです。

 

私たちは消去法でしか学べないのですから、いきなり正解にはたどり着けません。だからこそ、回り道のようですが、さまざまなことを試し、たくさん失敗をして、まるで塗り絵を塗りつぶしていくように、最後に正しいやり方が残るような学習をお勧めしたいと思います。

 

もっとも希少で有限な要素は「時間」です。「お金」でも「知識」でも「労働」でもありません。「お金」は時間があれば、利子で増やすことができます。「知識」も時間があれば、学んだり調べたりして増やすことができます。「労働」も同じです。長い時間働けばいいのです。しかし、「時間」だけは、すべての人に平等に一日二四時間と限られています。

 

人間は誰でも怠惰なものです。ですから、手間がかからない方法でないと、決して続きません。

 

ダイエットも勉強も同じです。本を何冊も読みこんだところで、実行しなければ効果は出ません。インプットとアウトプットはほぼ同量にするといいでしょう。

 

人間の学習方法の特徴として、成功体験から学んだことよりも、失敗体験から学んだ事の方が、より応用範囲が広い、ということがある。

 

いつも取材で困るのが、『目から鱗の本』や『あなたの人生を変えた本』を教えてください、と尋ねられることです。しかし、実際のところは、5冊、10冊、20冊、30冊と読んで、少しずつ変わっていくほうが現実的なのではないでしょうか。もちろん、ある本を読んで目から鱗が落ちるということはありがますが、その地盤がある程度できていた上での、きっかけになっただけにすぎないのではと思っています。

 

必要なのは、ひたすら継続的な改善です。トヨタのカイゼンも同じ発想です。トヨタでは、「昨日と同じことをやること」を「作業」と呼び、「明日からよりよい仕事ができるように準備すること」を「仕事」と言います。

 

頑張っているというのは、あくまで自分が主観的に頑張っている、ということであって、客観的に成果がでているかどうかは、全く別の話。続けられる「仕組み」を作って、成果が出るまで続けること。

 

顧客単価は利益の源泉であり、いかに同じ顧客により高い値段のものを買ってもらうか、より多くのものを買ってもらうかどうかということに集中することで、利益が生まれやすくなるのです。安易な値下げがどれだけ利益に悪い影響を与えるか良く考えてみてください。

 

大切なのは、「やることを増やす」ことではなく、「減らせること」を考えることです。

 

どうしても私たちは、今の自分を正当化します。そのため、新しいことを取り入れるのには積極的になれても、「今やっていることをやめる」ことには消極的になりがちです。しかし投資効果を考えた場合、「不必要なことをやめる」というのが、時間を生み出すのに一番効率のよい方法です。

 

人間の学習方法の特徴として、成功体験から学んだことよりも、失敗体験から学んだ事の方が、より応用範囲が広い、ということがある。

 

「欠点」「不得意分野」への対処方法としてはちょっとした努力で向上できる範囲においては改善を心がけるが、あまり時間を使わないようにする、あるいは意図的に放っておく。自分の効率を最大限にするには、得意なことに集中したほうがいいのです。

 

なぜ忙しくなるのでしょうか。理由は簡単です。やることを減らさないからです。

 

一番の注意点はすでに旬が終わってしまった商品・サービスに対して過剰投資をしないことと、逆にまだいけるのに発売から時間がたっているものへの投資を怠ることです。とくに、営業現場では新製品・新サービス中心のリソース配分が行われがちでが、定番商品やロングラン商品についての気配り・検証を常に行って、まだまだ潜在市場に余裕があるときにはそういったものについて顧客獲得を継続して行うことが儲けの鍵になります。

 

人間心理として面白いのが、一度ロイヤル顧客になってしまうと、多少不都合な材料が出てみても、逆にこれまでその定番やシリーズに投資をしてしまったことを正当化するため、なるべくその商品サービスの良いところを積極的に見つけようとして、その商品を買う理由を顧客のほうが見つけてくれるのです。

 

人間はうまくできていて、人の体験なのか、自分の体験なのか、情報として手に入れると混ざっていってしまう傾向があります。結果、人の体験でも、読書により自分が体験したような意識になるので、そこからアイディアも出てくるし、自分から動けるようになります。人に体験を聞く、ということももちろん有効ですが、その方法だけではアクセスできる人間の範囲に限りがあります。ところが本は、読むだけで、いろいろな人にアクセスできるのです。

 

自分たちのビジネスに合う顧客を積極的に選択していくことが結局顧客獲得コストを下げるということになります。ある意味、獲得しやすい客と儲かる客は違うのです。無料というサービスに食いつきやすい顧客というのは、価格感受性の高い客でもあり、要は「渋い客」なのです。それよりも、無駄な顧客獲得コストを抑えてじっくりと良い商品性でアピールした場合には、より優秀な顧客が集まりやすい。

 

物事がうまくいく秘訣は、「やらないことを決める」ことに、「やりたいことを達成する」ためと同じくらいの労力を費やすことです。あなたの「時間泥棒」を見極め、「やらないこと」を決めてください。

 

自分の効率を最大限にするには、得意なことに集中したほうがいいのです。