岩崎弥太郎

およそ事業をするには、まず人に与えることが必要である。それは、必ず大きな利益をもたらすからである。

人材の育成は学問のある者を積極的に用いよ。

機会は、人間一生のうちに誰でも、一度や二度は必ず来るものである。それをとらえそこねると、その人は一生立身できない。

部下を優遇するにつとめ、事業上の利益は、なるべく多くを分与すべし。

一たび着手せし事業は必ず成功せしめざるべからず。

勤倹身を持し、慈善人にまつべし。

国家的観念をもってすべての経営事業にあたるべし。

創業は大胆に、守成は小心たれ。樽よりくむ水にまして、洩る水に留意すべし。

小僧に頭を下げると思うから情けないのだ。金に頭を下げるのだ。

酒樽の栓が抜けたときに、誰しも慌てふためいて閉め直す。しかし底が緩んで少しずつ漏れ出すのには、多くの者が気づかないでいたり、気がついても余り大騒ぎしない。しかし、樽の中の酒を保とうとするには、栓よりも底漏れの方を大事と見なければならない。

小事に齷齪(あくせく)するものは大事ならず。よろしく大事業経営の方針をとるべし。

よく人材技能を鑑別し、すべからく適材を適所に配すべし。

自信は成事の秘訣であるが、空想は敗事の源泉である。ゆえに事業は必成を期し得るものを選び、いったん始めたならば百難にたわまず勇往邁進して、必ずこれを大成しなければならぬ。