新渡戸稲造

武士道は、日本の象徴である桜花とおなじように、日本の国土に咲く固有の華である

義に過ぎれば固くなる。仁に過ぎれば弱くなる

死を軽蔑するのは勇敢な行為である。だが生きることが死ぬことよりつらい場合、まことの勇気はあえて生きることである

名誉と名声が得られるのであれば、サムライにとって生命は安いものだ

教育者が注意すべきは、活ける社会に立ち万国に共通し得べく厳正にして自国自己及び自己の思想に恥じず、実際の人生に接して進み、世界人類に貢献する底の人物を造ることに在るなり

大学の教育となつて来ると単純なる良民といふことだけでなく、良民のリーダースを造るのである

僕は幼年時代より人に逢ふときは、一見してその欠点を発見した。この性質があつたから、大概の人を見ては癪(しゃく)に障り、従つて不愉快を感じた

勇気を修養するものは、進む方の勇ばかりではなく、退いて守る方の沈勇もまたこれを養うよう心掛けねばならぬ。両者がそろって真の勇気が成る

学べどもなお学べども学べども学び足りぬは学びなりけり

人生の目的は宗教観念がなければ解決できない

他者の感情を尊重することから生まれる謙虚さ、慇懃さが礼の根源である

いわゆる十分に力を出す者に限って、おのれに十二分の力があり、十二分の力を出した者が、おのれに十五分の力があることがわかってくる

真の学問は筆記できるものではない。真の学問は行と行との間にある

人間は、それぞれ考え方やものの見方が違うのが当然である。その違いを認め合い、受け入れられる広い心を持つことが大切である

武士道は知識を重んじるものではない。重んずるものは行動である

武士道の究極の理想は平和である

真の勇気とは、猪突猛進ではなく、しっかりと立ち上がり周囲を見回して、いま成すべきことを見つけ出すことができるかである

嫌いな人に会ったとき、私はわき上がる感情を抑えようと一生懸命になったし、人を好きになったときは、その気持ちを押し殺すよう全力を傾けた

武士の教育において守るべき第一の点は品性を建つるにあり

急がば回れだ。休むなかれ、急ぐなかれ

心が籠もっていなければ礼とは呼べない

事が起きたら最悪の事態を想定すればいい

日本人から何度いはれても、わからなかつたことが、外国人から教はつて、すぐ覚える。これは何とも不思議でならない

妻は夫のために自分を捨て、夫は主君のために自分を捨てる。そして主君は天の命に従う奉仕者であった

私を生んだのは親である。私を人たらしめるのは教師である

もっとも勇気ある者はもっとも心優しい者であり、愛ある者は勇敢である

若い人たちは、自分たちは絶対年を取らないとでも思っているのだろうか。人生のうち、青春として知られる時期ほど短いものはない

人間というものは社交的な動物であるから、相手を考えなければいけない。しいて人に不快感を与えるような服装までする必要はなかろう

平静さは静止の状態での勇気である

教育の多くは、あるきまり文句を教えられたとおりに機械的にくりかえすことであって、その意味については、若い魂は何一つ解っていないのである

進む勇気と退く勇気があってこそ真実の勇気

正直は最善の政策なり

昔は士(さむらい)といふと、一種の階級であつた。今はさうではない。社会的の階級でなく、頭の階級である。相当な教育を受けたものは、みな士となるものである。学士などは即(すなわ)ち士だ。士格のものである。士は所謂(いわゆる)指導者である。英語でいふリーダーである

大学に入つて何の職業に就(つ)いて、何ほどの月給をもらふかなどといふことは、抑々(そもそも)末のことで、もつと大きなところへ到達しなければならない

「教育とは学校で習つたことを悉(ことごと)く忘れた、その後に残つてゐるものをいふのだ」これは実に穿(うが)つた言葉である

自分の現在の義務を完全に尽くす者が一番偉いと思う。そして、自分の現在の義務は何であるかをはっきり認め得る人は、人生の義務と目的とを理解する道に進むのであろうと思う

小さいとき髪をといてくれるのも、ほかの人がすると痛いが、母親だと痛くなかった。ここに自然な無理のない母の愛がある

自分が生まれてきたときより死に至るまで、周囲の人が少しなりともよくなれば、それで生まれた甲斐があるというものだ

強き人はよく耐える。よく耐える人を強者という

この世には完全無欠の物もなければ、全然無用の品もない。われわれの親にも子にも友人にも欠点があれば、われわれの憎み嫌う人にも特長がある

とかく物事には明暗の両方面がある。私は光明の方面から見たい。そうすれば、おのずから愉快な念が湧いてくる

武士道精神は損得勘定をとらない。むしろ足らざることを誇りにする

正直は最善の政策なり

人は誰しもいったん安定した世界に身を置くと、精神もそれにならって俗化し、理想を忘れてだんだん怠惰になっていくようだ

信実と誠実となくしては、礼儀は茶番であり芝居である

勇気がある人というのは、心の落着きが姿にあらわれているものです

何事であれ、もし何かをしようとすれば、それを為すための最善の方法とは、もっとも無駄がなく、もっとも優美なやり方になるであろう

切腹をやり遂げるには、極限までの冷静さが必要だった

王は国家の第一の召使いである

武士の約束に証文はいらない

世の中には、譲っても差し支えないことが多い

私は太平洋の橋になりたい